INTP5w6による性格タイプ雑記ブログ

MBTI&エニアグラムのよもやまブログ

会社で上司から学んだこと

私は、会社員を10年ほどやっていた。

そこで色んな上司に会ったが、

いちばん参考になったのは、自分と同じINTPの班長のやり方である。

班長のやり方は、【3位戦法】というものだった。(私が勝手に命名

 

当時、私は大きめのプロジェクトに参加していて、

そのプロジェクトは12個の「班」から構成されていたのだが、

私の班長のやり方をみていると、

【他のすべての班にとって、我が班との取引量が3位以内】

を目指しているかのようなスタイルを取っていた。

 

つまり、決して特定の班とズブズブの親密関係にはならないが、

しかし相手にとって「そこそこの存在感」であろうとする姿勢だ。

 

このやり方の効果は、すさまじかった。

ズブズブ関係を避けることで、非能率な感情衝突や馴れ合いを排除しつつ、

我が班は総合取引量で【圧倒的な1位】を獲得し続けたのである。

 

各班から3位を獲得するための方法は、まあわかりやすいものだった。

それは「関係の薄い班からの依頼を優先する」というものである。

たとえば相手から見て我が班が2位のところと7位のところがあれば、

7位の班を優先して対応するのである。

 

これを繰り返していれば、すべての相手にとって我が班の順位が上がっていき、

相手の頭に「我が班の存在が思い浮かぶ場面」が増える(これ重要)。

結果として、我が班への依頼が増えていくというわけである。

 

(そんなわけで、3位という数字は目標ではなく、単なる結果であった。

 厳密には平均では3位には届かず、3~4位くらいだったかもしれない。

 でも世間では普通はライバルが11社もないので、普通は3位以内なら

 だいたいOKなんじゃないかと考え、私は「3位戦法」と呼んでいる)

 

私は班長のシンプルなやり方に深い感銘を受け、今もかなり意識して真似している。

この通りにやっていれば、土着商売でシェアが下位に落ちることは、まずない。

というか、狭い地域だと、勝手に1位になってしまうような感じさえある。

私としては、総合1位になると妬まれたり邪魔されたりしてめんどくさいので、

ぶっちゃけ2位くらいでいるほうがお得なのではないかと思っているのだが、

何にせよ、私はこの班長から「シェアの取り方」を学んだのである。

 

 

班長のおかげで、我が班のシェアは上がり、必然的に班員はみな活躍し、

それぞれ専門家として、なんというか「顔が売れた状態」になっていった。

会社員というのは、ある意味「自分が商品」の商売であるから、

社内で顔が売れると何かと得をする。

そういう意味で、ありがたい班長であった。

 

だが班長自身は、ちっとも出世せずに、55歳の第1次定年で

「もうお腹いっぱい」と言って、さっさと退職してしまった。

班長は、自分の顔を売ることには、ぜんぜん興味がなかったのだ。

 

班長の性格は、「与える人」の側面が強かった。

同じINTPでも、班長は私とは少し違うタイプだった。

班長は物静かで、INTP-Tだったように見えた)

 

班長が退職した後、みなで班長の家に遊びに行った。

和風づくりの、落ち着いた雰囲気の家だった。

そして娘さんや奥さんなどの家族がたいへん幸せそうなのを見て、

私は「だろうね」と思った。

 

私は、班長の作戦は真似しまくっているが、

班長の人生をそっくりマネしたいとは思わなかった。

それは、班長に対して、

「退職した後、何するの? 退屈してるんじゃないの?」

と思ったからである。

退屈嫌いの私としては、そういうのは不安でしょうがない。

考えただけでも恐ろしい・・・。

 

と、まあそんな感じで、

班長はよくわからない人だったが、おもしろい人だった。

会社では目立たない人だったが、私にとってはNo1のお手本であった。

 

===============

 

こういうありがたい上司がいた一方で、うんこみたいな上司もいた。

私が最初に当たったプロジェクトのリーダーがそれだ。

 

そのオッサンは、ESFPだった。

いつも怒鳴っていて、普段は「パトラッシュを叩く金物屋」に似ている。

しかし上司の前では豹変し、ドン引きするくらいへこへことゴマをするのである。

 

入社1年目だった私は、ある日、このオッサンと初めて会話をした。

そして昼休みになったとき、オッサンは私に「パンを買ってきてくれ」と言った。

まあ食堂に行くついでなので買ってきてあげたのだが、

するとこのオッサンは、パン代を払おうとしなかった。

 

私がパン代の200円を請求すると、

「おいおい、お前、俺から金とる気か?」

とか

「俺によく思われとけば、損はないぞ?」

とか言って、

なにやら関係ない話を持ち出しながら、

何としても200円の支払いを逃れようとするのである。

 

会社に入って間もない私としては、こんな漫画みたいなおっさんが

同じ会社に存在するとは夢にも思わなかったので、かなりの衝撃だった。

 

とりあえず

「全然よく思ってくれなくていいから、パン代200円を払ってください。

 払わないなら、今から労組へ行って来ます。

 あと、もう二度とあなたのパンは買ってきてあげません。」

と言うと、おっさんはしぶしぶ金を払ったが、

かなり不満げで、私に恨みを持ったようであった。

 

このオッサンとの戦いは、その後数年続いた。

私は序盤こそ押され気味だったが、すぐに必勝法を編み出し、

△△キラーと呼ばれた(△△はオッサンの名前)。

私はこのオッサンとの対決を通じて、口げんかの必勝法を学んだのだ。

 

それは、

【外形的には先にキレたほうが負けだが、内面的には先にキレたほうが勝つ】

というものだ。

脅しに弱い人は、相手に「キレられる」「怒鳴られる」のが怖くて、

ついついキレさせないようにと、変に気を遣ってしまう。

そうすると、相手はますます調子に乗ってしまうのである。

 

このような悪循環を断つ方法は、簡単だ。

相手がキレた瞬間に、自分も相手以上にキレまくり、怒鳴りまくればよいのである。

そのためには、「先に内面でキレておく」必要がある。

こちらが怒っていない時に相手にいきなりキレられると、誰でもびっくりしてしまう。

しかしいつでもキレる準備をしておけば、相手が怒鳴った瞬間、間髪入れずに

相手の2倍の音量で怒鳴りまくることができるので、相手がびっくりするのである。

 

この方法は、おもしろいほど効果的であった。

オッサンは、自分が怒鳴られるのが、すごく嫌だったのだ。

また、もともとおかしなことを言っているのはオッサンのほうなので、

こうして大騒ぎにしてやれば、困るのはオッサンのほうなのである。

 

まあそんなわけで、

たいして役に立つ知識とも言えないが、世の中にはクズはいっぱいいるので、

この「内面先ギレ法」は、頭の隅に憶えておいてもよいかもしれない。

(特に、会社を辞めて独立する人には、ちょっと役立つかもしれない)

 

当時の私は、こういう幼稚園児みたいなオッサンが世の中にはゴロゴロいる

ということを、長く穏やかな高等教育のうちに、だいぶ忘れかけていた。

 

思い返せば、小学校や中学校では、こういう人間は、普通にいっぱいいたのだ。

しかし高校以降は、多くのINTPは、暴力野郎が少なそうな高校へ進学する。

そしていつの間にか、脅しや暴力への免疫が消えかけている場合が多い。

(なお私がいた会社でも、このオッサンほどアホな奴に出会うことは、以後なかった)

 

会社を去り、土着自営の道を歩むということは、

こういうアホに「日常的に出会う」ということなのだ。

社会の姿は、あなたがいた高校ではなく、あなたがいた中学校のレベルに非常に近い。

そんな野生のサバンナみたいなところへ行くにあたり、

一定の心準備をさせてくれたという意味では、

このオッサンとの対決の日々は、まあ役に立ったのかもしれない。

intp5w6による性格タイプ雑記ブログ