INTP5w6による性格タイプ雑記ブログ

MBTI&エニアグラムのよもやまブログ

どうでもいい話(月着陸実証機とホワイト化社会の話)

また流行りネタで失礼。

 

こないだ深夜にSLIMという月着陸実証機の

リアルタイム中継を見た。

たまたまユーチューブでライブ中だったので、

こりゃラッキーと思い、私も中継を見はじめたのだ。

 

解説の人が、

「まず高度何メートルでホバリングして、次にこうなって、こうなる予定です」

と解説してくれるので、私は事務作業のかたわら

「ほうほう、順調に行ってるやん!これはいけそうやな!」

と、ちょっとワクワクしながら見ていたんだが、

 

最後に高度2mでホバリングするはずが降下が止まらず、

「ん?止まれそうにないぞ?これはやばいんじゃないの?」

と思ったのも束の間、次の瞬間には

機体がひっくり返った姿勢図が表示された。

 

私は「ありゃー、失敗しちゃったよ」と落胆しながらも、

すぐさま「なんとか起き上がれないか?」と考え始め、

スラスターの位置とかを検索し始めた次第である。

(そんなことは職員の人が考えることであって私が考えても意味ないのだが、

 まあT七の癖というか性というか、T七とはそういう生き物なのである)

 

その後のことは、私が下手な解説をするより自分で調べてもらったほうが

いいと思うので割愛するが、

今回私が話したいことは、その中継のYoutubeコメント欄のことである。

 

そこは不気味な世界だった。

コメ欄で、たまに誰かが「残念、失敗したかも」とか書くと、

すぐさま猛烈な数の反発コメントが湧き起こり、

「失敗か成功かを素人が勝手に判断するな!」とか、

「そんなに失敗したことにしたいのか!」とか、

「失敗とか言うやつ許せん!心底むかつく!!怒怒怒」

みたいな感じで、

とにかくコメ欄に少しでもネガティブな言葉が出ると、

大勢が寄ってたかってボコボコに叩くという、

わけのわからない現象が起こっていたのである。

 

まあこれにはちょっと背景があって、

少し前にH3ロケットが一部不調で打ち上げを延期した時、

記者会見でどっかのテレビのすさまじくバカな記者が

「延期と言うことは、失敗だったということですよね?」

とか叫び始め、職員の人が

「いや、そうならないように中止して点検するんです」

的なことを答えると、

「再点検しなければならないってことは、つまり予定通りじゃない

 ってことだから、それはつまり失敗ってことじゃないですか。

 失敗なら失敗と、ハッキリ答えてくださいよ!!」

みたいな感じのワケのわからないことを吠えまくって

場が混乱するという事件があったのである。

 

このキチガイ記者にイラついたのは職員だけではなく、

たぶん会見を見ていた人の多くが

「なんだこの記者、完全にいっちゃってるな。

 予定通りじゃないイコール失敗って・・・。

 妙な宗教にでも入ってるのか?」

って思っただろうから、

こういう輩を警戒する雰囲気もあったのだろう。

 

それは理解できるが、でも今度のはその反動がひどすぎる。

「月着陸実証機」が正常姿勢で着陸できなかったら、

大失敗とまでは言わずとも、さすがに成功とは言い難いと

考えるのは別におかしなことではあるまい。

(実際、イギリスの速報ではすぐFAILEDって出てた)

 

でも何十万キロの道程のうちの大部分まではうまくいったのだから、

もし職員の人が

「最後の部分だけ、うまくいかなかったっぽいです。

 でもそこまでは想定通りに機能することが確認できたし、

 今回初めての挑戦で打ち上げから予定地点への降下までの

 最後の数mまで行けたのだから、これは悪くない結果だと思う。

 大きな収穫と感じているので、次も頑張ります!」

とか何とか言っておけば、

多くの人が状況を正しく理解できて、安心もしたはずだ。

 

だがその会見の場は、

もはや職員の人でさえもネガティブワードを使えなさそうなほどに

不気味な空気だったのだ。

 

そして翌日のヤホーニュースでは、

着陸をばっちり決めたSLIMの偽CG画像とともに

「世界で〇番目に月面着陸成功!!」とか、

「歴史的快挙!!」とか、

気持ちの悪い記事ばかり並んでいたのである。

 

 

 

参考:日本のニュース

 

参考:イギリスの速報

 

 

 

私は一連の事態を見て、非常に嫌な気分であった。

 

「おいおい、これじゃH3ロケットのときのアホ記者と同レベルじゃないか。

 岡田斗司夫の言っていた【ホワイト化社会】とはこのことか?

 なんでも美化して話さないといけないのか?

 ポジティブなワードしか使っちゃいけないのか?

 

 てゆうか、そもそもなんで誰かが失敗って言うことに

 そんなに反発するのか、まったく理解できない。

 成功か失敗かなんてただの主観なんだから、

 成功だと思いたければ思ってればいいだけじゃん。

 でもそれを他人に強要したら、キチガイ記者と同じですやん」

 

そんなことを思いながら、私は誰かがコメ欄に書いていた

「本当のことを書くと非難されるなんて、嫌な世の中になったなあ」

という言葉にしみじみ共感したりもしたのであった。

 

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私はw6という性格だからだと思うが、

誰かに直接嫌われたり攻撃を受けたりすることよりも、

「やはり人間社会はどうしようもなく腐っている」

みたいに感じて絶望しまうことのほうが、何倍も凹む。

(w6は社会を信じたいのに疑ってしまう、悲しい生き物である)

いつもなら、2~3日凹んでしまうところであった。

 

しかし、今回はわりと復活が早かった。

というのも、私は今回のSLIM現象について、

「わかったぞ、これは推し活なんだ!!」

と、すぐに推測することができたからである。

 

つまりだ。

SLIMを応援してる人にとっては、もはやSLIMは人みたいなもの。

話をわかりやすくするためにちょっと極端な例をあげれば、

SLIMはいわば、スケート浅田真央や羽生ゆずるみたいなもんなのだ。

 

フィギュアスケート界では、もし羽生選手がミスをした場合でも、

TV解説の人は「今のはちょっと回転が足りなかったですね」

とか言ってはいけないというルールがある。

「うーん、回転不足かも。でもまだ挽回できますよ」もアウト。

 

実況と解説の人は、全ての言葉をポジティブに、

「いいですね~、順調ですよ~、これは世界新記録コースですよ~」

と言わなければいけないのである。

(「トリプルジャーンプ!!」みたいに技の名前だけをかっこよく叫ぶのはOK)

(「おっと!耐えましたね!」はぎりぎりセーフ)

 

これはかつてはサッカーボクシングなどで頻繁に見られた現象で、

実況と解説は日本チーム(日本選手)の出る試合においては、

日本側に不利な判定や予測を口が裂けても言ってはいけない

という謎のテレビルールが存在する。

 

このような現象について、私は昔は

「なんだこの解説、気持ち悪いな! 嘘ばっかり言うなよクソテレビが!」

とか思って毎回腹を立てていたのだが、

今はもう、なんとも思わない。

 

解説が嫌なら音声を聞かなければいいし、

(解説や実況の音声は消せるようになっている)

そもそも番組を観なければいいだけだ。

 

私は昔はスポーツもたまに見ていたが(妻が見るので)、

今はもうスポーツ放送に愛想が尽き、一切見ていない。

だから私にはもう関係がない。

 

もしスポーツの技自体を見たいなら、もはや動画で見るほうが適切だ。

わざわざリアルタイムで見るのは、

「皆で応援することを楽しみたいから」

であって、そうでない人は動画で見ればよいのである。

(リアルタイムで見たって、疎外感を感じるだけだ。

 リアルタイムは、もはや応援したい人のための占有物なのだ)

 

SLIMについても、おそらく同じ現象が起こっている。

これはおそらく「はやぶさ」の頃にできた風潮だと思うが、

日本には何%かの「宇宙機推し」の人達が誕生している。

その人たちからすれば、日本から発射された宇宙機はもはや

日本人みたいなもの、いやむしろ人間みたいに腹黒くないぶん

人間以上に愛される「激推し」の対象になっているかもしれない。

 

そんなわけで、「推し」の概念で考えると、

ネガティブワードが許されないという風潮も理解できる。

 

推し活は女性が多いから男性にはややわかりづらいかもしれないが、

たとえばもし友達があるアイドルを推しているのを知っているのに

「このアイドル、実は性格が悪いらしいな。顔もビミョーやし。」

とか言ったら、そりゃ怒られるだろ?

 

そういえば私も10代の頃、

自分が聞いていた音楽の歌手(女性)のことをエロ対象と見る奴がいて、

生々しくキモイ妄想を話しまくるので、

さすがにイラっときて「黙れ!」と言ったことがある。

そのときは、

「あれ?俺なんでこんなことでイラっとしてんだろ?」

とか思ったものだが、

さすがに今は、そこまで自分の感情に鈍感ではない。

イラッとくるのは、あたりまえのことなのだ。

 

てことで、SLIMを推しまくってる人から見たら、

リアルタイムで熱烈応援しているときの心情は、

「私のかわいいSLIM君が病気かもしれないなんて、

 そんな縁起でもないことを言うような奴は地獄に堕ちろ!!

 SLIM君は一生懸命頑張ってるんだぞ!愛のない評論家は失せろ!」

みたいな感じであろうと推測される。

 

(私は猫を飼っているので、動物に置き換えるとわりと理解しやすい。

 私だって、もし頼んでもいないのに誰かが私の愛猫を見て

 「この猫は〇〇病じゃないかな、だとすると余命1年くらいだね」

 とか勝手に診断しやがったら、かなり腹が立つに違いない。

 ただ、自分の愛猫ではないどこかのアイドル猫が病気呼ばわりされた

 ときにも同じ感情を持つかと言うと、私はそうはならないが。)

 

上記のように理解したら、私はさっきまで頭に渦巻いていた

「やっぱり社会は腐っている」という絶望が消え、

精神的な凹みがなくなった。

ここまできたら、あとはスポーツと同じ要領だ。

すなわち、「推し活」の人が多い分野に関わらなければよいのだ。

今回の場合だと、「宇宙機のリアルタイム中継なんてもう二度と見ません」

と心に決めれば、それで解決である。

 

このやり方は多少の不自由はあるが、世の流れには逆らえまい。

なにしろ、ホワイト化社会なのだ。

 

岡田斗司夫いわく、ホワイト化社会とは

【見た目の美しさや清潔感や印象が、ものすごく重要になる社会】

であるという。(エニアの2w1的な世界?)

私は岡田の言葉の意味は理解するし、コロナ後で衛生重視になるのも理解できたが、

なぜ見た目重視になるのかは理解できず、いまいちピンときていなかった。

 

でも今回のSLIM事件で、なんかちょっとヒントを得た気がする。

ホワイト化社会というのは、「推し」や「推し活」という概念と

密接な関係があるような気がする。