INTP5w6による性格タイプ雑記ブログ

MBTI&エニアグラムのよもやまブログ

ナンパが義務だった先輩の思い出

前回の記事を書いて、

むかし会社の先輩だった「義務ナンパ師」のことを思い出した。

 

以前書いた、わりと尊敬してたINTPの班長が退職したあと、

かわりにENTPのおじさんが班長になったのだが、

そのとき2年先輩のINTJ4w5(5w4かもしれん)も、

一緒に班員に加わった。

 

同じINTJでも、私はINTJ5w6とはたいへん気が合うのだが、

INTJ4w5(5w4)とは大変気が合わないらしい。

この先輩も、最初からまったく嚙み合わなかった。

 

先輩は、なんかしょっちゅう部長の悪口を言っており、

心底から部長を憎んでいるようだった。

私としては、たしかに部長は異常者だったけど、

別に憎むほどでもないというか、

むしろ「部長アホすぎて笑えるw」って思っていたので、

つくづく感性が違うんだなって感じだった。

 

で、先輩はこうやっていろんな上司(職位が上の人)をボロクソにけなすのだが、

それら上司当人と話す時は、びっくりするくらいヘコヘコと腰が低く、

ひきつった愛想笑いをしながら、遠慮がちに話す。

(よく知らんけど、こういうのを「裏表」というのか?)

わりと好き嫌いを露骨に表わしてしまう私としては、衝撃的だった。

 

そして奇人の極めつけだったのは、趣味の「ナンパ」である。

先輩は、一緒に出張に行くと必ず、電車の中でそのへんの女性に声をかけるのだ。

で、女性と親しく談笑することに成功すると誇らしげとなり、

嫌われると「あー、くそ、失敗した。最悪だ」

とか言って、相当落ち込んでいる様子。

 

ちなみに私のほうは、電車(往路)の中ではたいてい、

自分が書いた資料を何度も読み返しながら、

客先に上手に説明するための最後の予習をしていた。

(ごく普通のマジメ君であった)

 

しかし先輩はそういうことは一切せず、ナンパをするのである。

私としては、最初は

「え?それ今やるん?」

て感じで引きまくっていたのだが、そのうち

「ひょっとして先輩は、僕のクソマジメな態度をバカにしたいのか?」

とも思うようになった。

 

私は、もし先輩が一言でも私の予習行動をバカにする発言をしたら

必ず3倍返しで人格否定して死にたくなるようにしてやろうと、

例の【内面先ギレ法】を使って砲撃準備していたのだが、

結局先輩は私の予習をバカにするような発言をすることはなく、

いつも通りに電車ナンパをして、

「くそっ、うまく行かなかった。無視された・・・。くそう・・・。」

とか言って、ぶつぶつ言いながら落ち込んでいたのである。

 

私は思った。

どうやら先輩は、別に予習とかマジメとかをバカにしたいわけではなく、

ただ単に、電車に乗ったらナンパをするというのを「自己ミッション」

として定めていて、隣に私がいようといなかろうと、そのミッションは

必ず実施するという決まりになっているだけのようだ。

(だったら最初にそう説明してくれや・・・説明なしにそんな異常行動を

 されたら、何か別の意図があってやってるのかと思うやんか)

 

ちなみに、出張に上司(職位が上の人)が同行する場合は、

先輩はナンパはせず、必ず予習復習をする。

例によって引きつった愛想笑いを浮かべながら上司に話しかけ、

客先から指摘を受けたときの答え方などを質問している。

 

このことからわかることは、私は上司とは別のカテゴリーに

所属する人間とみなされており、私は上司とは別の、

〇〇という存在なのである。

(〇〇に入る言葉が何なのか、私にはよくわからない。

 同僚?後輩?それとも「上司以外の人」?)

 

ちなみに私は、隣にいるのが誰であろうと、

電車(新幹線)の往路は必ず予習をして、

復路は必ず「駅弁+4コママンガ」を買い、

食べながら読んでいた。

(復路は皆パラダイスで、ビールを飲んでいる人が多かった)

 

そういえば、電車の中における私と先輩の違いは、

復路において、より顕著だったかもしれない。

なぜなら、往路は事務員さんがまとめて並びで切符を取るが、

復路は各自で取るので、一人で座ることも可能だったからだ。

 

私と先輩の違い

 

私: 隣にいるのが誰であろうと、往路は予習、復路は駅弁&漫画。

   復路は必ず誰か仲間の隣に座る。上司の隣でも全然OK。

   別部署で話してみたい人がいたら、「一緒に座ろ」と誘っていた。

 

先輩:隣に人がいようといなかろうと、往復ともナンパをする。

   ただし、隣に上司がいる場合は決してナンパをしない。

   復路は一人で席を取ることが多い。上司の近くが嫌みたいだった。

 

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後に長期駐在の出張となって、電車に乗る機会が減った。

すると先輩は、今度は「夕食を食べる店でナンパをする」

と決めたようで、せっせと活動していた。

そのうち、なんか見知らぬ女性と親しくなり、

意気投合して付き合い始め、しまいには宿に連れ込んでいた。

(というか宿で同棲してた。ちなみに先輩は妻子持ちだった)

 

私は誰が誰と不倫してようがどうでもいいが、

社宅で彼の奥さんと顔を合わせる可能性も無視できず、

社員が泊まる宿に連れ込むのは、結構ウザかった。

 

先輩は社員が集う定食屋とかにも女を連れてくるので、

いい加減うっとうしいと思った私は、先輩に

「あのね、今、仕事の話をしてたんですよ。

 もちろん時間外なので仕事優先ではないですけどね、

 べつに女の話が優先というわけでもないですよね?

 先輩は、ずっと女の話ばっかじゃないですか。

 たまには他の話題の時間も尊重しましょうよ。

 僕は女やセックスの話が嫌いで、仕事の話がしたいんですよ。」

と伝えた。

 

そうすると先輩は、「ごめんね」とか言っていたが、

私のいないところで

「hiza君に妬まれちゃったかな~」

とかほざいていたことを、後に知った。

 

私は、何でも「モテ」とか「人気」とかに変換したがる大阪文化が嫌いすぎて、

がんばって大阪を脱出した人間である。

だから先輩の「妬まれちゃったかな」発言にはかなりムカつき、

機会があればフルボッコにしてやろうと準備していたが、

私はまもなく研究係になって先輩と縁が薄くなり、

戦争をすることはなかった。

 

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先輩は、あまり出世欲がない人だった。

先輩が上司に媚びるのは、消極的に媚びているだけで、

全体的に逃げ腰な感じで、出世のためではないように見えた。

(むしろ私の方が社内の有名人に馴れ馴れしく近寄っていた)

ただ先輩は、出世欲はなくても、

「自分は優秀だと思いたい、無能だと思われたくない」

という気持ちが強かったように見えた。

 

私は、将来自分が主設計者になれるかどうかは気にしていたが、

それ以外の面では、自分が有能かどうかは、さほど重要じゃなかった。

なぜなら、その会社には優秀な人がたくさんいたからだ。

このような環境では、兵士の能力うんぬんより、

チームとして成果を出せるか否かのほうが、結果に大きく響く。

そこでは個人の能力など、どうでもいいのだ。

 

いや、「どうでもいい」はさすがに言い過ぎだな。

どうでもよくない。

チームにアホは要らない。

アホが1人でもいたらチームは壊れる、これ重要。

 

ただ私が言いたいのは、

私はチームに入れてもらえて任務を果たせるだけの優秀さがあれば

それでじゅうぶんと考えており、

自分が他のチーム員よりも優秀でありたいと考えるのは、

チーム活動では邪道だと思う、ということだ。

 

(だからチーム員と自分を能力比較したがる人は、好きじゃなかった。

 もし周囲から有能だと思われたいなら、無能だらけの会社へ行くほうが

 合理的なんだから、他の会社へ行けばいいのにと思っていた)

 

一方で先輩は、自分がいかに頭が良いかを、

しばしば嫌味な方法でアピールしていた。

たとえば、

相対性理論は、自分の担当と関係なくても理解しといたほうがいいよ。

 この会社の人は古典物理ばかりで、頭が古いんだよねー。

 相対性理論は難しいって?そんなことないよ、簡単だよ。」

とか、

キーエンスはすごい会社だよね。

 これこれとか、斬新だよね。発想がすごいよね。

 比べてこの会社は・・・ダメだね。終わってるね。」

とか。

(他にも100個くらいあったが省略)

 

私は、先輩が会社をディスる発言を聞くたびに、

 (先輩は自社の製品には興味ないくせに、

  自分の能力にはやたら興味あるよね。

  でも、その能力とやらは、いつどこで使うつもりなの?)

と思っていたが、

そのときは別に対立してなかったので、言わなかった。

 

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このような先輩のことを、前回の話から思い出した。

そして、長い間謎だったことが、1つわかった。

 

先輩は心底から「いろんな女と関係を持ちたい」のであり、

それこそが生きる目標であったのだということを。

 

私が先輩を嫌いだったのは、

私が仕事を楽しむために入った会社で、

ずっと女の話ばかりしてるから。

 

私にとって、先輩は邪魔だった。

女の話は、外で友達を作って、好きなだけ話せばいいのに、

何故か先輩は、いつも上司の顔色を伺って、残業ばかりしている。

そして上司の目を盗んでは、また女の話をしている。

いったい何がしたいんだ、こいつは?

上司も人間なのに、上司なら騙しても平気なのか?

そんなふうに思っていた。

 

今でも、先輩のような人が社内にいたら、

私はやっぱり「邪魔だなあ」と思うだろうと思う。

 

ただ、「いろんな女と関係を持ちたい」という願望については、

実はそれほど珍しくもない願望なのだと、まあ理解した。

 

先輩は、望み通り、いろんな女性と親しい時間を過ごす力を身に着けたようだ。

言っちゃ悪いが、たぶんもともとは、よっぽどモテなかったのだろう。

しかし努力の結果、彼が親しく談笑した女性の数は、

きっと日本人の上位1%に入っているだろうと思う。

(彼は自己ミッションの遂行を徹底してたからね)

そこは尊重してもいいかなと思うようになった。

 

今なら、3回に1回くらいの割合なら、女の話でも笑って聞ける気がする。

でも残り2回は、できれば「斬新シリーズ」の話にしといてほしいな。

私は斬新シリーズは嫌いではない。

「それに比べて、この会社の人達はダメだね」

みたいなイヤミ風味さえなければ、何の問題もない。

 

あ、でも、「イーロンすげえ」みたいな崇拝話はパスしたいな。

私は、誰が作ったかはどーでもいい、という価値観だから。

でも電気自動車の話なら、いくらでも聞くぞ。

電気自動車を過大評価はしないけど、深センであちこち見学してきた

くらいだし、興味がないわけじゃない。

 

このへん、もし先輩もエニアグラムを知ってたら、

先輩とはいろいろ合意できたような気がするな。

なんだかんだ言って、彼は願望の実現力があったからな。

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