INTP5w6による性格タイプ雑記ブログ

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伊能忠敬とコスパの話

伊能忠敬という人についての動画を見た。

 

むかし、日本地図をすごい精度で作った人なのだそうだが、

彼が地図作りを始めたのは50を過ぎて隠居してからのことで

(当時の平均寿命は40代)、

それまでは伊能家の婿入り家長、つまり商売人であった。

 

動画では、彼が17で婿入りしてから50に至るまでにやったことと、

隠居後に高精度な地図作りという難事業を遂行できたことと、

「どっちもすごいんじゃない?」というような話であった。

 

彼はわりとしょぼい家の生まれであったため、

家柄のよい人達からバカにされたり、妬まれたりすることも多かった。

だが彼はそれらの人と敵対しなかった。

(晩年は、地図作りを邪魔する奴にはキレまくることで有名だったらしいが)

 

・・・・という話だったと思うが、

間違ってるかもしれないので気になった人は自分で調べてみてください。

 

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私が伊能氏の動画を見て思ったことは、

「彼はたぶん、コスパ人間ではないのだろうな」

ということだった。

 

世の中(特に日本)には他人の足を引っ張るのが大好きな人が多いが、

私はズバリ、彼らの共通点は「短視眼とコスパ志向」だと思っている。

 

ぶっちゃけた話、他人の足を引っ張ることは案外合理的であることが多い。

たいへん少ない労力で、労力以上のリターンを得ることができるからだ。

自分より優れた人に追いつくことはむちゃくちゃ難しいが、

他人を引きずり下ろすにはそんなに知恵も労力もかからない。

つまり、コスパが非常によいのである。

 

逆に言うと、コスパを追求する癖がつきすぎると、最終的には

「他人の足を引っ張るのは合理的だ。だからやるべきだ。」

という思考に至ってしまうことが多いのではないかと思う。

 

これは個人に限ったことではなく、会社でもそうだ。

というか、むしろ会社のほうが起こりやすいかもしれない。

たとえば競合他社の不正や醜態が露見するとその会社がダメージを受ける場合、

その不正を積極的にバラしまくることは自社のシェア拡大につながる。

こういうとき、ふだん自分の利益のためには人の足を引っ張らない人でも、

会社の利益のためであれば「やるべきだ」と言い出すことは少なくない。

 

 

では他人や他社の粗探しをして足を引っ張りまくるのが最良の行動かというと、

それはたぶん、「30年以上の超長期的に見れば、よろしくない」ということに

なるのではないかと思う(逆に、30年未満なら合理的とも言えるかもしれない)。

なぜなら、他人の足を引っ張る人は必然的に恨みを買うし、信用も無くすからだ。

そのような危険行動を積み重ねると、チリも積もれば山となり、

いずれは自分が足を引っ張り返される事態になる可能性が非常に高くなる。

というか、もっと端的に「愛をすっかり失う」という結果に至りやすい。

 

伊能氏の場合、彼が地図作りを完遂できたのは、

愛の力によるところが大きかったように見えた。

もちろん彼には優れた数学的資質や体力などもあっただろうが、

日本の端から端まで歩きつつ、地味で面倒な測量作業をやり続けることは、

いくら天才でも単独では無理な話である。

また、もし手伝ってくれる人がいたとしても、そのメンバーに

「適当でいいや」とか「カネさえもらえれば結果なんてどうでもええわ」

とか考える人が混じっていたら台無しであり、当時の地図作りには、

「相応の熱意と誠意をもって、愚直に計測を行ってくれる仲間」が

どうしても必要だったに違いない。

 

だがしかし、長旅というのは往々にして人に不和を引き起こす。

そこそこ親しい友達どうしであっても、一緒に一週間以上の旅をすると、

けっこうな確率で大げんかになったりするものだ。

そのような問題を突破して地図事業を完遂するには愛の力を欠くことができず、

「もし伊能氏がコスパ人間だったら、たぶん地図は無理だっただろうな」

と、私は思ったわけである。

 

 

「合理的と論理的の違い」はしばしば話題になる事柄だが、

伊能氏の動画を見ると、なんかその話を思い出すことが多かった。

伊能氏は、ときに合理的(Te)であり、ときに論理的(Ti)であったが、

どちらにも偏っていなかったのが特徴なのかもしれない。

そして、愛の力がすごかった(もしくは良い意味で麻痺していた)のでは

ないかと、私は想像したりもした。実際は知らんが。

 

 

もしこのアホブログ読者(おそらくTi型が多い)の中に、

TeとかTiとかの類の話を聞きたい気分の人がいたら、

伊能氏の動画を見てみるとおもしろいかと思う。

 

ちなみに私のお勧めは「ずんだもん伊能忠敬」だ。

(もし「ずんだもん動画なんかで忠敬を語るな」と言われたら、スミマセンというしかない)

 

 

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