INTP5w6による性格タイプ雑記ブログ

MBTI&エニアグラムのよもやまブログ

参入障壁とか市場規模とかの話

ニゲェ氏の「アフィ爆散してよかったこと」という記事が色々興味深かったので、

勝手に話題をパクって自分でも考えてみる。


氏の日記は、長年苦労してやり遂げたアフィリエイトから撤退したことを題材にして、

  1.【参入障壁】について

  2.【市場規模】について

  3~5.【なんか心構え的なもの】について

という5つの観点で書かれていた。

テーマが何であれ、やっぱ真剣に考え尽くして行動した人の話はおもしろい。

 

で、3以降の心構え的なのは個人の想いによるものだと思うので置いといて、

1と2については小規模事業者たる私もなんか考えさせられることがあったので、

自分自身はそのへんどう考えているのか、少し振り返ってみたいと思った次第である。


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1.【参入障壁】の話

 

氏の話は、参入障壁の高さは時間とともに変化するということだった。

個人的になるほどと思ったのは、参入障壁が崩れていく構図のうち、

(かなり自分なりの解釈に意訳して書くと、)

 

(段階1)技術的なノウハウが確立され、徐々に広まる
  ↓
(段階2)実際に試してみる人が増え、その顛末も公開される
  ↓
(段階3)「怪しい世界」だったものが、徐々に「怪しくない世界」になっていく
  ↓
(段階4)市場は拡大するものの、参入者が激増して1人当たりのパイが激減

 

という変遷の話の部分だ。

いわゆる「技術」の部分と「怪しさ」の部分を切り分けてるのがおもしろかった。


この怪しさの部分について、自分は先に冒険を済ませて危険を突破している

というアドバンテージのことを何と呼ぶのか私はよくしらないが、

仮に「社会安全」のノウハウと呼んでみることにする。

 

社会安全は、市場の発展途上段階においては

 「法令の不全」・・・うっかりしてると詐欺られたり、自分が逮捕されたりする

 「決済の不全」・・・悪意の(or無能な)取引相手から繰り返し損害を受ける

という問題によってしばしば阻害されており、

それをどうやって解決するかということを、私もいつも考えている気がする。

 

(例えばヤフオクのような「オークションシステム」は、アイデア自体は誰でも

 容易に思いつくわけだけど、現実に落札が行われた後、

 本来なら引き渡しは"同時履行”されるのが民法の原則であるのに、実際には

 受領にタイムラグができてしまうため、互いに相手が信用できない(怪しい世界)。

 ここに取引の安全を担保する何かが加わると、一気に参加者が増えることになるが、

 ヤフーはそれをある程度実現できたということである)

 

この「安全」を確保するためには、まあ最初はあれこれやってみるしかないわけで

あるが、それは自分自身の安全を確保しながら進むという次元の話であって、

安全を担保する仕組みを自らが世間様に提供するというのとは、また別の話である。

 

社会に安全を提供するという分野は、INTJが提供する「数学」的な要素と、ENTJが

提供する「政治」的な要素によって成り立つと思われるが、数学と政治のどちらが

支配者として上位かと言えば私は(戦争以外の場面では)断然政治が上だと思うので、

結局この仕組みを作る資格を持つのはENTJということになる。

 

数学と政治のどちらが支配力を持つかという話は意見が分かれることもあると思うが、

どちらにしろ、その開始時と最終形において「INTPには出番がない」と私は思う。

もしINTPが存在できるとしたら、それは開始と最終の「中間段階」だけだ。

 

なぜなら、INTPはTe型ではないので数学の資質が少なく、I型なので政治力もない。

しかし「INTJが苦労して作った数学を一瞬で理解して、一早くオモチャ化する

のだけは、おそらく16分類で一番得意なのではないかと思うからである。

 

ところでこのとき、ENTPは、TJ型への対抗手段としてまったく別の方法を取る。

ENTPは、他のNT共が数学にうつつを抜かしている間に物理で優位に立ち、

その優位を「秘密主義」「特許主義」によって最大化させておこうと考える。

同じNTPであるINTPもこれに似た作戦を取ることはできなくもないのだが、

私は(たぶん5w6は)、秘密も特許も当てにならないと思っている。

 

というのも、モノやシステムを考え出すことはそれなりに難しいが、

実際に存在するものを見てその仕組みを推理することは非常に簡単だからだ。

だから、モノやシステムを世に発表したら、もう秘密を保つのは難しい。

 

といって特許はというと、現状では外国人を縛るのが難しく、

国内の審査もテキトーすぎるので最初から裁判前提の話であり、

多額の裁判費用を用意できない人には特許を取ってもメリットが小さい。

(ついでに特許は、誰でも思いつくものをとりあえず先に出願してしまえ

 という妨害ビジネスを成り立たせてしまうものであるため、

 そもそも5w6の人は特許制度を害悪と思っている人さえ少なくないと思う)

 

さて、こうしてノウハウを「技術技能」と「社会安全」に切り分けて考えると、

新しいものが世間に広まるのを阻害しているものは

ほとんどが「安全」の問題であって、技術技能面での問題ではないと思える。

 

このことは、Youtubeで古いNHK番組を見ると、けっこう参考になる。

かつてNHKが「夢の技術」と呼んだものは、おもしろいくらい、現在では

消え去ってしまっているのだ。

現実に世界に広まったものは、たとえば錆びない鉄「ステンレス」という

画期的な新技術は、のろまなNHKが紹介をするころには、すでに何万トンも

生産されていたというのが常である。

 

私が思うに、「技術」の伝播速度は、「安全」の伝播速度の百倍以上であり、

NHKに「問題が起きている」と呼ばれたものは安全伝播のフェーズにあり、

NHKに「すごい」とか「夢の技術」と呼ばれたものは、むしろ敗北が確定

しつつある研究であると考えて、おおむね間違いではないと思う。

 

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さて、上記は一般的な傾向の話で、ここからは私の個人的な方針の話だが、

参入障壁というものを考えて市場を

A「技術黎明期」~B「安全停滞期」~C「爆発拡散期」~D「規制期」~E「斜陽期」

という5つのフェースに分けてみたときに、

私の作戦は、B「安全停滞期」とD「規制期」の2つを狙うということである。

 

というのも、B「安全停滞期」を狙いたくなるのは、

技術の伝播に対して安全の伝播速度はすさまじく遅いので、

それなりの技術技能をそこそこ早めに押さえてさえいれば、

ENTJが「安全安心」なもの(もちろん嫌味)を少しずつリリースするたびに、

それに合わせたものを考えても間に合うと思うからである。

(ただし爆発拡散期が来るまでの数年間くらいしか参加できないが)

 

一方でA「黎明期」は、そこに参戦していると「個人の価値」は高くなるのだが、

組織としてみれば、参戦を維持するのにかかるコストが半端ない。

 

たとえば、私はリチウムポリマー電池というものが各国で作られはじめたころ、

当時は会社員だったのだが、個人的に100万以上の金を突っ込んで、

いろんな国から怪しい電池を輸入しては試していた(やばめの試し方で)。

こういう行動は会社からおもしろがられ、私は「電池に詳しい奴」と評価され、

研究費もじゃぶじゃぶもらえるようになったわけだが、これはつまり

自己投資により個人としての価値が高まり、そのリターンが多少あったということだ。

 

しかし組織としてみると、私がいた機械製造会社が電池を製造することなど

あり得ないわけで、会社は私から知識だけを吸い取って、うまいこと立ち回りたい

と願っているだけである。これは当たり前の話で、もし私が当時の会社の上長だったと

しても、きっと同じことを思うだろう。

 

というわけで、もし今会社員であれば、個人の価値を上げて「自分を会社に売る」

という方法はおそらく理にかなっていると思われるので、

黎明技術界隈で自己投資しまくるのは最高におすすめの処世術であると思う一方、

 

事業者としては、自分個人の評判などあげてもリターンがあるわけでもなく、

「ちやほやされるために無駄金を使ってしまった」という結果になりかねない。

ということで私は、黎明技術は徹底的に回避するつもりである。


次に、もうひとつの狙い目であるD「規制期」だが、

ゴールドラッシュが終わった後の市場は、もはや「一山当てるぜ」的な

美味しいところが残っていないから参入数が安定し、

特に国内人口の4割近くを占めるSP型が近づいてこない(むしろ追放されていく)

のがありがたい。もし参入してきても、お上がごちゃごちゃうるさいので、

SPはすぐに嫌になってくれるはずだ。

 

このフェーズは、お上(官僚)の心が手に取るようにわかるI型の5w6としては、

非常に静かに戦えて楽ちんな時期であるといえる。

利益率は期待できないが、屋台骨としてはいい感じになってくれるように感じる。

(規制を逆手にとって、招かざるクソ客を撃退しやすいというのもうれしい)

 

こうして書いてきて再確認した感じだが、

私は、B「安全停滞期」よりも、D「規制期」のほうを安住の地として選びたい

と思っているようである。

 

まあ、おもしろさとしては、B「安全停滞期」のほうがおもしろいんだけどね。

でも、協調性の致命的な欠落を抱え、人間の群れこそが最大の脅威だという意識

が強い私としては、たとえどの方向から攻撃されても

「私は無害なうえに社会にも貢献しまくってるのだから、邪魔しないでください」

と言い張れるポジションを確保しておきたいわけよね。

(E型は自分よりも社会貢献の多い人間を責めることができない。これ重要)

 

よく中国が怖いとかいう人がいるけどさ、私からすれば、そんな遠い敵よりも

近くにいる盗賊集団のほうがほよど怖いやん、って思う。

だから私は、他人から見て美味しそうな肉に見えないことが必須条件なわけよね。

日本の盗賊は、自分が盗賊だという意識がないぶん、ほんまタチが悪いからね。

 

最後に、上記以外のC「爆発拡散期」E「斜陽期」については、

まあ誰でも同じような結論(一時撤退または撤退)だと思うので割愛する。

 


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2.【市場規模】の話

 

ニゲェ氏の文章では、「市場規模は大きいに越したことはない」ということだ。

 

これについては、たしかに市場規模が大きいのは楽な面も多々あると実感するので、

うーんと考えさせられるものであったが、結論としては逆になった。

性格の違いによるのかもしれない。

 

私は、たぶん今後も、市場規模の小さいものばかり選ぶと思う。

市場規模の小さいものなら、容易に10番以内に入れるからである。

(もちろんニゲェ氏も、そんなことは百も承知のうえで言っているのだが)

 

私は、規模の小さい市場のうち、特に「風化しつつある古いもの」は美味しいと思う。

なぜなら、維持しているだけで世間様の一部から評価してもらえるため、

知識や現物の「在庫価値」は、わずかずつだが上がっていくという印象があり

(私は資産の値上がりは期待しないが、値下がりは嫌だ)、

その上にノロノロと建物を建てていくための「土台」としては悪くないと思うからだ。

(INTPは総じてスピードが遅いからね)

 

一方で、たとえば昨今流行りの「仮想通貨」などは、そりゃあ市場規模は大きい

だろうが、その周辺の知識やスキルを集めても、もしブームが去ったらただのゴミ

になってしまう。また逆に、もしブームが広がった場合には、苦労して集めた知識

が一瞬で古くなってしまう。

知識が古くならないうちに行動できれば、市場規模の大きさが効き、大きな金塊を

手にすることもできるのだろうが、行動が遅くなってしまった場合には何も残らない

という点が痛すぎる。

(てゆうか、遅くなるに決まってるという自覚がある)

 

尊い労苦によって集めた知識や物品の価値が、一瞬のうちに目減りする姿を、

私は見たくない。その収集にあてた時間がまるごと吹っ飛んでしまったら、

人生の周回遅れになってしまうではないか。

だから私は、最低10年後でも存在していると思えるものしか、相手にしたくない。

(私は未来の社会予想は得意ではないが、技術予想だけはけっこう自信がある)

 

まあ得意分野の違いによって結論は変わるのだろうが、総じて私は、

流行状態にあるものは市場規模が大きいので活動はしやすいとは思うものの、

スピード勝負になりやすいのと無法者(SP)のライバルが多すぎるのとで、

馬鹿正直なマジメ君の私としては、なんか根本的に美味しくないように

感じるわけである。

 

その一方で、「すでに当たり前になってしまったもの」は、その技術がいかに

重要なものであったかということも、そしてその仕組みや作り方も、

人々は忘れてしまっている(知識が継承されないまま風化している)ことが多い。

 

人はみな、覚えることが多くて忙しい。

生まれてきたら、漢字の書き方や掛け算のしかたを覚えなくてはならない。

おじいちゃんになっても、iPhoneの使い方を覚えなくてはならない。

それなのに、すでに消えた「フロッピーディスク」の作り方なんて、

体系的に教えている暇も、教わっている暇もない。

 

それほど人間は忙しい。であれば、古くて原始的なものについて深い知識を

集めるほうが、「レアで美味しい」とか「腐りにくい」とか「応用の素材になる

とか考える奴がいたとしても、別におかしなことではないよね。

 

てことで、私は今後も、市場規模が小さくて普遍性があるものだけを取り扱って

いくつもりである。