前回、I型諸氏にとって苦痛な現実を伝える話を書いたので、
今回は多少お得な情報を書いてみようと思う。
題して、
「I型が会社を作ってみるための、超シンプルなやり方」
なお、ここではペーパー会社は対象外である。
事業を行わないペーパー会社の作り方は、どこにでも書いてある。
お金が15万ほどあればそれこそサルでも作れるし、検索すればいくらでも出てくる。
あまり説明上手でない私がそのような情報を書いても無意味なので、
私が書くのは、実際に事業を行う会社を作るための方法だ。
実際に事業を行う会社を、仮に「実会社」と呼ぶことにしよう。
実会社の作り方は、大きく分けて2つある。
ひとつは、アイデアベースの会社だ(これをAタイプとする)。
会社勤めのなかで、新しい仕事を思い付き、それを始めるというもの。
当たるかどうかは、商品やサービスの有用性で決まる。
もうひとつは、ノーアイデア系の、平凡な会社だ(これをBタイプとする)。
平凡であろうと、その業種が不足している地域ならば、それは必要ということだ。
当たるかどうかは、需要供給と競争力で決まる。
ここでは、Bタイプのほうの、「どこにでもある会社」の作り方を述べてみよう。
会社はあちこちにあるが、どうやって作るのかを知らないINTPは意外と多い。
なぜなら、INTPは、Aタイプの会社しか発想できない傾向があるからだ。
しかし実際には、世の会社の大半はBタイプだ。
(自分がやってる仕事を見ればわかるはず・・・おそらくBタイプだ)
誰よりも多くのアイデアを出せる私が断言するのだから、間違いない。
世の中には、完全にオリジナルなアイデアなどほとんど存在しないが、
仮に完全にオリジナルなアイデアを思い付いたとしても、
そのアイデアを自分自身が実行するためには、
「実行者が自分であることが、社会にとって最も好都合である」
という合理的な理由が別途必要だ。
そういった背景を含めると、実行者としての第一歩を踏み出す機会としては
AタイプでもBタイプでも、たいして変わらない。
未経験者は、アイデアよりも、むしろ実行者としての資質を問われる。
だから会社経営をやってみたいと願うなら、さっさとBタイプでやればよい。
(どのみちAタイプのアイデアは、Bタイプの仕事から生まれるものなのだから)
というわけで、前置きが長くなったので、さっそくBタイプの会社の
作り方を解説する。以下の手順1~8のとおりにやればよい。
これは、誰でもとは言わないが、少なくとも3割以上の人が実行可能であろう。
大儲けはできないが、かなりの確率で軌道に乗ると思われる。
今回の記事は、これ以上ないというくらいに実用的な情報なのであるが、
部外者から批判されることを恐れて、たぶん誰も書こうとしない。
(書いても何の得もないので、批判されるようなことは書かないほうがよいのだ)
しかし今回は、あえてそれを無料で書いてみせましょうという、
過疎ブログ読者様へのサービス企画である。
(過疎じゃなかったら、かなり書きづらい内容とも言える)
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会社を作ってみるやり方
1.まず、何の事業をやるかを決める。
世間でよく見かける業種の会社(つまり需要のある仕事)で、
地域に不足しているものであれば、何でもよい。
不動産屋でも、ホームページ会社でも、レンタル屋でも、何でもよろしい。
分野の修行は必須ではなく、興味と多少の知識があれば未経験でも別に構わない。
(ただし高額の器材がいるものは、借入が必須になるのでP型には難しいと思う)
2.必要な金をため、もし資格等が必要であれば取っておく。
資格より金をためるほうが100倍難しいと思うので、
資格はその傍らで適当に取ってくれ。
ためるべき金額は、1年分の人件費+施設費、ざっくり1000万くらい。
(器材がいる業種の場合は、プラスその代金)
3.上記の準備が整ったら、「新規開業」を大々的に謳い、他社より1割増し
の給料で経験者募集の求人する。
ここで肝心なことは、必ず6か月未満の「短期契約求人」にすることである。
4.上記の求人に、ろくでもない人間がわらわら集まってくる。
(なぜろくでもないかはあとでわかるので、今はわからなくてもよい)
その中から、適当にやる気のありそうな経験者を1~2人くらい採用する。
5.雇った経験者から、他社の業務情報を詳細に聞き出す。
ろくでもない人は守秘義務など守るはずもなく、何でもペラペラしゃべるので、
そっくりそのまま、他社と同じやり方で営業を開始する。
6.開始後は、素人経営者とロクでもない社員の会社なので、当然赤字である。
しかし半年間、赤字を垂れ流しつつ、どうにかこうにか営業する。
その間に、継続的に他社より1割低い給料で未経験者の求人をする。
給料が低いぶん応募は少ないが、まともな人間の応募はかえって増えるはず。
その中から、まともな未経験者を少しずつ採用していく。
7.半年後、最初に雇ったろくでもない経験者の契約が切れて、人件費が激減する。
人手が足りなくなるので、最初のほうで獲得したわがままな客は切る。
おそらくそのときに黒字化する。
8.残ったまともな人達と、健全に営業を行っていく。
経験者から教わった方法は、どんどん捨てて、変えまくる。
すでに経験者は去っており、抵抗勢力がないので改善は非常に捗る。
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どうです、わりと簡単そうというか、現実味を感じたでしょう?
この方法は、私が自分で考えたものであるが、
私が数年目に読んだ経営コンサルの人の本でも似たようなことが書かれていたので、
おそらくさほど珍しくない方法(とはいえ99%の人が知らない方法)なのだと思う。
以下、ちょっと解説。
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①初期メンバーを短期契約とする点について
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会社を作ったことがない人から見れば、
「最初からまともな人を長期で雇えばいいじゃないか」
と思うかもしれない。
まあベストなのはそうなんだが、
しかしまともな人は、前の会社で見聞きしたことをベラベラしゃべったりしないし、
そもそも、未経験者が開業する怪しい会社になど入社しない。
(募る側がまともでないのだから、来る側もまともではないのは当然ともいえる)
また、もし「まともな経験者」が独立して求人をかけたとしても、
「同業転職」で応募してくるのは、おそらくまともでない人が大半である。
なぜなら、応募者は「まともでないから職にあぶれた」という確率が高いからだ。
まともな経験者は、会社も必死で手放さないようにするものなので、
中途採用市場に落ちている確率は10%未満と考えておかなければならない。
このことは、採用係をしたことのない人にはわかりにくいかもしれないが、
小さな飲み屋(居酒屋、小料理屋、スナックなど)を覗いて観察してみると、
非常によくわかるものである。
これらの店で、新規オープンした飲み屋には、ほぼ例外なく、ろくな客がいない。
なぜなら、彼らはたいてい「他の店から追い出された人たち」だからだ。
一般に、まともな客、すなわち「店側の事情や願いを配慮してあげられる客」は、
店からとても大事に扱われるので、なかなか動かないものである。
逆に、うっとうしい客、すなわち「店の発展を考えてあげられない客」は、
だんだん店から邪険にされていく。
(そういう愚かな客は、店が発展せず客が少ないほうが恩着せがましく占有できて
好都合と考えているのだが、そういう意図は必ず店主に伝わってしまう)
邪険にされた客は、内心不満を持っているが、他に行くところがないのでしぶしぶ
我慢する状態になり、いずれ近くに新しい店ができると移っていくという寸法だ。
こういうメカニズムで、新規店の客というのは、微妙な客が非常に多いのである。
この「新規オープンの店=嫌われ者の吹き溜まり」という法則は、
現代社会の仕組み上避けられない傾向であり、かなり普遍的な現象である。
お店だけでなく、小さな会社においても、この現象は変わらない。
新設した会社は、社員も客も、(自分自身も含め)だいたいろくなものではない。
だから初期メンバーは短期契約にしといたほうがいいのである。
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②未経験で開業することについて
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会社を作ったことがない人から見れば、
「未経験でやるよりも、最初にどこかの会社で修行すればいいじゃん」
と思うかもしれない。
そのほうが、高い金を出して経験者を雇わなくて済むじゃないかと。
だがその考えは、「まともでない応募者」とそっくり同じものでもある。
「修行」といえば聞こえは良いが、要するに情報泥棒に行くのだろう?
ついでに人員も引き抜いて来れるかもしれないし・・・などと考えながらだ。
しかし、果たしてそれは、これから経営という未経験分野に挑もうとする者の
やることだろうか?
そういうのは、邪悪とまでは言わずとも、別に立派な行動というわけでもない。
気安く「修行」などという言葉を使って、美化するべきではないと思う。
それに「修行」をする場合は、修行先の会社に迷惑をかけないようにするため、
商圏がかぶらないよう、遠くで開業するのがマナーである。
つまり修行に行く会社は、「遠くの会社」でなくてはならない。
問題は、そんなめんどくさいことを考えながら、金をためることができるかだ。
開業で何よりも重要なことは、まず金をためることだ。
「金をためつつ、ついでに経験を得よう」などとセコイことは考えず、
最も金をためやすい方法で、ガツガツ働きまくるほうがよいと私は思う。
誰でも最初は初めてである。
「学ぶはまねぶ」という糸川博士のありがたい御言葉があるとおり、
素直に真似て、素直に学ぶ姿勢が大切だ。
そのためには、自分の考えなど、最初はないほうが良い。
経験者から聞いたことを、そっくりそのままやればよい。
そのためには、その経験者と「別の会社にいた経験」など邪魔でしかない。
未経験であるほうが、むしろ経営を学ぶにはちょうどよい。
このへん、若干ホリエモン的な考えかもしれないが、仕事はそんなもんだと思う。
ごくごく一部の天才的な芸術職人とかは別として、それ以外の仕事では、
長いことやってるからって、それほどすごいもんでもないと私は思う。
(とか言うと、ホリエモン同様、批判されてしまうのかもしれないが)
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というわけで、I型読者を想定して、会社の作り方を解説してみた。
エネルギッシュE型(特に3w4型)の
「夢を語り、目標を達成しながら、どんどん人を巻き込んで拡大していくやり方」
とはだいぶ違い、あまり格好の良いやり方ではないと思うが、
嘘をつくのが得意でない馬鹿正直者のITP型にとっては、
私が書いた方法のほうが着手しやすいでのはないかと思う。
新設した店や会社は、1年以内に半分くらい消えるのが現実である。
半年ぶん以下の資金で見切り発車すれば、当然そうなる(T型ならわかる)。
多少の余裕をもって、つまり1年分の維持費を持ってスタートするべきだ。
金が続けば、2年目もやれる。
その後続くかどうかは、その地域での需要供給と、競争力次第だ。
このへんは、参謀肌のINTPはおそらく得意であり、なんとか平均点以上取れるはず。
なお最初の数か月は、金が湯水のように消えていく。
汗の結晶である通帳残高が激減していく様子を見るのは、精神的に辛いものがある。
そしてもっとつらいのが、初期の人間関係だ。
社員も客もマジで嫌われ者ばかりで、そういう人達に囲まれる日々は誰でもしんどい。
しかしそれさえ耐えれば、少なくともINTPの知力があれば、たぶん売上は作れる。
というわけで、もしこのやり方に納得したら、あとはやる決意があるかどうかだけだ。
決意がないと、長期間かけて貯めた1000万を全額賭けることは、なかなかできない。
確率的には全損することは滅多にないのだが(そこが一般ギャンブルと違うところ)、
とはいえ汗の結晶を賭けるには、やはりそれなりの覚悟がいる。
せっかくためた1000万を結婚資金とかにするほうがよいのかもしれない。
何がいいのかは、その人次第なので、私にはよくわからない。
しかし会社作りは、株などの丁半博奕に賭けるよりは、確率も高いし多くの
スキルが得られるのでオススメだ。
博奕で全額スるとマジで何の経験にもならないが、
会社に賭けてスベっても、濃すぎるほどの1年を味わえるのは間違いない。
同じ賭けるなら、会社に賭けるほうが断然お得だと、私は思う。