前回のおっちゃんの話が出た関連で、
エネルギッシュE型の典型である孫正義ENTJ3w4の話をひとつ。
私は孫氏のファンであるが、
孫氏らENTJ3w4をあまり好きでない人もいるだろう。
私も正直、彼の下で働くと、鬱になりそうな気がしないでもない。
しかし外野から見ているぶんには、孫氏はやはり、
「圧倒的におもろいおっちゃん」であると思う。
ところで、上の動画を見て、孫氏の「先見の明」に感心した人もいるだろう。
確かに、卓越した未来予想力はENTJの強みである。
ただ、それだけであれば、同じく第2Niを持つENFJだってイケるはずである。
しかし、サントリーやドンキなどの少数の例を除き、そうはなっていない。
実際のところ、現代日本におけるENTJの覇権は、
「独占」戦法によるところが大きいと思う。
独占というのは、
・排他的販売契約による価格のつり上げ
・寡占業者の示し合わせによる価格の維持
・M&Aによる競合の芽摘み
・時限的廉価販売による既存小企業の焼き払い
などのことで、
ものすごく強力であることがすでに判明しているが、
競争による進歩の阻害要因になってしまうため、
あまりよろしくないと言われている戦法である。
これらは、いちおう独占禁止法によって禁止されているのだが、
独禁法というのはしょせんは「法律」で、人間が決めるものであり、
すなわち政治によって決定されるものである。
だから厳密な定義づけや世界規模での統一は難しく、
よって正確な運用は期待できない面がある。
独占という手法は、万物の法則を知りたがるINTPにとっては、
好むと好まざるとにかかわらず、興味深いことである。
自由競争市場というシステムは、その原理だけでは成立し得ず、
上記のような独禁の法律を伴わなければ成り立たない(=寡占に収束する)
という、わりと致命的な不完全さを持っている。
そんな自由市場の欠陥を、嫌というほど思い知らせてくれるのが、
ENTJという生き物なわけである。
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ところで、私は、ENTJの独占戦法が違法だとかアンフェアだとか言いたくて
こんな駄文を書いているのではない。
法律の良し悪しに腹を立ててたら、きりがない。
現状の社会に合わせる生き物である5w6の私は、
「ふーん、今は独占はセーフという世の中なんだな」
と解釈して、それに合わせた生き方をするだけである。
(と言いつつ、私生活では、ついつい弱小を応援したい気持ちに
なってしまい、これまで何度か失敗してきているのだが・・・。
たとえばストリーミングでは、私は自身のサイトに載せる動画について
頑なにYoutubeを避け続け、日本の弱小ストリーミング会社を利用し続けて
滅んだりもした。こういう無駄な抵抗を、私は何度かやらかしている)
まあ私生活の話はさておき、会社の仕事の話で言うと、
政治力を要する「独占」を私が実現することは難しいというか、
ぶっちゃけ不可能と断言できるくらい向いてない分野なので、
私はENTJの真似をすることはあきらめている。
そんなところに私の勝機はないと、自覚している。
ただ、他人と同じこと、すなわち「他人でもやれること」ばかりしていたら、
無限に登場するライバルによって疲弊していくことになるのはわかりきっているため、
狭い分野で自分だけ、あるいは自分を含む少数だけができることをやって、
こっそりと「小さな独占」を果たそうという、超低次元での独占戦法を取っているが、
しょせんは低次元レベルであり、全体的にはENTJの独占には速攻で降伏している
と言える。
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さて話をエネルギッシュE型に戻すが、エニア分類でいうと、
エネルギッシュE型には、3w4-8w7、3w2-7w8の4つがある。
私はこの中で、3w2と8w7はなんとなく苦手であり、
3w4や7w8のほうが付き合いやすい。
これが5w6に共通する傾向なのかはわからないが、もしそうだとすると、
別の価値観の人から見れば、「3w2や8w7は好ましいが、3w4や7w8は苦手だ」と
感じる人もいるのだろうな。知らんけど。
ところで、3w4や7w8は、仕事において「事業拡大路線」を好みやすい気がする。
(逆に3w2や8w7は「利益率」を好みやすい気がする)
3w4や7w8と気が合いやすい私も、彼らほどではないが、どちらかといえば
維持より拡大の路線のほうが好ましく見える。
もちろん、永遠に拡大し続けることは不可能であり、
拡大路線は原理的には破綻していると言えるのかもしれない。
(なんか、ねずみ講に近いものを含んでいる気配がある)
拡大しすぎると利益率が下がったりすることも多々あるし、
(逆に縮小は利益を出しやすかったりする面もあるし、)
拡大がいいことだと言える根拠は、わりと希薄だと思わなくもない。
ただ、私は経験的に、思うことがある。
人間は、事業が拡大しているとき、すなわち
「仕事が増えているとき」は精神的に元気かつ寛容であり、
もし会社から「売れ行き好調だから残業してくれ」という要請を受けると、
少々無理をしてでも応えようとする傾向がある。
その逆に、事業が縮小傾向にあり、
会社が「仕事がないから残業を減らしてくれ」と言い出すような状況では、
所属する人間の精神は一気にすさんでいき、
社員同士でいがみあったり、やたらと上司を批判しはじめたりする
という傾向がある。
縮小傾向になると、雰囲気が一気に悪くなる感じがある。
このことは、E型はもちろん、I型にも当てはまる。
つまり人間は、なんだかんだ言っても、
「自分の仕事が社会から必要とされると、まんざらでもない気分になる」
という性質を持っていると、感じざるを得ないのだ。
(まったくそうでない人間もいるだろうが、全体傾向としてはそうなのだ)
拡大路線は、それが合理的だからというよりも、
むしろ人間のこういう習性に合わせた宗教っぽい指針であって、
実は拡大を望んでいるのは会社ではなく社員なのでは?と思ったりもする。
(特に日本人は、争いを嫌がる平和好きな気質ゆえに、拡大路線を
支持する社員が多いような気がする。)