INTP5w6による性格タイプ雑記ブログ

MBTI&エニアグラムのよもやまブログ

ESTJのおがくず知識(暗記知識)の意義

私の友人には、ESTJが結構多い(私の妻もこのタイプだ)。

ただ、ESTJにも3w2型と6w5型がおり、両者の性格はだいぶちがう。

私の友人達は6w5のほうのESTJであり、イキリタイプの3w2ではない。

(なおESTJのエニア分布は多岐にわたり、1型や8型なども存在する)

 

一般的に、ESTJ6w5は、おそらくネットではアホ扱いされるタイプだろう。

何しろ「w5」なので、5力が18種中の最下位であり、計算はできても考察ができない。

またT4の要素も持たないので、芸術/文芸などの独創っぽい才能もない。

ようするに、T5・T4の両方の要素が著しく欠けているために、

いわゆる知性的なものを感じさせない人種なのだ。

 

一方で、彼らは暗記力と暗算力があるのでテストで点数を取るのだけは妙に得意

であり、受験や資格などは平気でクリアして、しょうもないクイズやパズルなど

も大得意である。しかし、それがかえって「N力の致命的欠如」を感じさせる

ことになり、えも言われぬバカっぽい香りを漂わせたりする。

 

そして、そのような単純な思考回路であるにも拘わらず、彼らは社会では

すいすいと出世したりしやがるもんだから、T4・T5などのN族が多いネット界では

「世渡りだけは上手だけど、抽象的な話にはまったくついて来れない人達」

として、わりと蔑視の対象となりやすいわけである。

 

世の中では、

「彼らのしょうもない暗記知識が、実社会でいったい何の役に立つのか?

という議論がなされることがある。

私もかつては同じことを思い、何度も彼らに言っていた。

 

私「よくもまあ、そんなくだらない知識をいつまでも憶えてるもんやな!

  やれローマのヒポポタマスⅢ世が何年に即位したとか、

  古文のイマソカリとはどういう意味だとか、

  円周率の第20桁目の数字が瞬時に言えるとか、

  そういうゴミみたいな知識って、一生に1回でも使うことあるん?

  そんなのを憶えるのは、脳みそにおがくずを詰め込んでるようなもので、

  脳容量の究極の無駄使いやん。」と。

 

こんな感じで、私は彼らのしょうもない暗記知識のことを

「おがくず知識」と名付け、よくバカにしてきたものである。

(ちなみに彼らの返答は「わかってるけど、覚えてしまうんや」であった)

 

しかしエニアグラムを独自に研究してきた今では、

私はおがくず知識の有効性について、けっこう理解できるようになった。

おがくず知識は、実はおかくず自体に意味があるのではないのだ。

 

すなわち、おがくず知識とは、

脳みそをくだらない情報で満たすことにより、有害な記憶を脳内から消去

しやすくするための素材なのである。

彼らはおがくずによって脳の記憶領域をみずから塗りつぶすことにより、

T6族の能力の根源である「忘却」を入手しているのである。

 

脳における「忘却」の重要性については、以前「T6とは何か」で書いた

とおりであるが、簡単におさらいすると以下の2点である。

 ①「嬉しい記憶」を消去できれば、味をしめて調子に乗ってしまうことがなくなる。

  (世の中には、調子に乗ってやらかしてしまう悪癖を持つ人が実に多い)

 ②「嫌な記憶」を消去できれば、過去への羞恥や他人への恨みなどと無縁になる

  (世の中には、羞恥で死にたくなったり、恨みで自爆する人が実に多い)

 

かように、過去の出来事への記憶は、人間を退歩させる原因になりやすい。

その点、ESTJ6w5は、ゴミ知識と引き換えに出来事を忘れ去る天才であるため、

過去の記憶に振り回されて人間関係をこじらせたりしない。

何かに成功した後に、調子に乗って台無しにしてしまうこともない。

しょうもない「夢」や「プライド」に固執して、仕事を選り好みすることもない。

彼らは、たんたんと業務を行う機械なのだ。

しかも、ST型なので管理業務に向いている。

(ちなみに、N型やF型は管理に向いていない。N型は期限が崩壊しがち、

 F型は利益を無視しがちだからである。てことで私も向いてない)

 

企業の多くが、彼らを「何でも嫌がらずにやってくれて、適当に利益も出してくれて、

実に使い勝手がよい人材だ!」とみなすのは、ある意味当然の帰結なのだが、

そういう評価の源泉になっているのが、実は「おがくずを使った忘却能力」だった

ということに、世の多くの人は気づいていない。

 

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さて、そんなお得な特技を持つESTJ6w5だが、弱点もある。

それは、N力が致命的にうんこであるために、研究とか発明とかの分野では

びっくりするほど無能になってしまうということである。

実際、理系のESTJは、ただ単に「算術が得意」というだけで勘違いして理系に進み、

その後脱落していく人が結構多いという傾向がある(医学系・電気系を除く)。

 

ちなみに私の妻も、Nがカスなせいで4次元以上の数学が1ミリも理解できず、

単位を落として留年するという挫折を味わった。

物理系なのに熱とか波とかもいまいち理解できていないため、

卒論もろくに書けず、半分くらい私が書いてあげたような状態だった。

にもかかわらず、Nのない妻はまだ自分の適性のなさに気づかず研究の道へ進み、

わりと珍しい女性の理系研究員ということで最初は目立つ存在だったのだが、

案の定というべきか、悲惨なことになっていった。

 

妻は、すごく簡単な研究でさえもハナクソみたいな成果しか出せず、

INFJ型の無能で有名な上司から「まだできないの?」とか言われて

悔しさのあまり家で泣いているような始末であった。

 

そして、私が2年間の長期出張から帰ってきたときには、

妻はもう完全に鬱病になってしまっており、

真っ暗な部屋のすみっこで体育座りをしながら、

「会社、行かれへんねん。行こうとすると、身体が震えるねん」

とつぶやいていたのだ。

 

その後の闘病には、かなりの時間を要した。

一度壊れた精神は、もう戻らないのか?とさえ思った。

しかし妻は文転し、会社の予算を管理する部署へ移ったとたん、

まるで水を得た魚のように、楽しそうに仕事をするようになった。

 

その後、妻は自分が成就できなかった研究職の人々を深く敬うようになり、

(これは、過去の嫌な記憶に振り回されない特性による)

目先の決算のために研究費を減らさない予算担当として有名になり、

それが技術職/研究職の社員や役員からたいへんな支持を得た。

そして妻は、もはや療養の遅れなど誤差になるくらい、

破竹の勢いでごりごり昇進をしていったのだった。

 

(ESTJというのは転んでもタダでは起きない、実にしぶとい生き物である)

 

とまあ、そんなようなわけで、

おがくず知識というのは、究極にくだらない知識であればあるほど、

実務ではめちゃくちゃ有効に作用するのである。

(もしこの知識が「誰もが価値を感じる情報」であったならば、多くの人が真似を

 してしまい、ライバルが増えてしまう。しかし究極にくだらない情報だからこそ、

 しょうもなすぎて誰も真似する気が起きず、結果として「おがくず使い」は

 今後も独占的な立場を保てるという仕組みになっているわけである)

 

このメカニズムを知っている人はたぶん少ないと思うので、

興味のある方はちょっと考察してみてはいかがかという話である。