会社員のころ、私はよく4コマ漫画を読んでいた。
作風別に4~5種類くらい出てたような気がする。
私はそのうちの2~3種を十年くらい読んでいた。
(もう読んでないので忘れたけど、「ホーム」と「オリジナル」
だったかな?「ファミリー」だったかもしれん)
なお、このような4コマを読むサラリーマンは案外少ない。
電車通勤が少ない中部地方だから余計かもしれないが、
私が会社員時代に出会った社内や取引先の数百名のなかで、
4コマの同好者と知り合ったのはわずか3名だけである。
社内では、常にカバンに4コマを携行していることが私の
「プチ個性」として扱われそうなほどに、周囲は誰も読んでいなかった。
(ちなみに発見した3名のうち、1名は私とそっくりのINTP5w6であった)
聞いた話では、実はこの手の雑誌の読者層は専業主婦がかなり多いとのことで、
「電車通勤の夫が駅の売店で買ってパラパラと流し読みし、
おみやげに持って帰ると、その妻が大喜びで隅々まで読む」
みたいな構図になっているという話を聞いたことがある。
* * *
当時のまんがタイムは、舞台は「T6的な日常」であるが、
登場人物的には完全に「T9ワールド」であった。
多くの作品の舞台が「職場」であったが、
当然ながら、仕事内容がテーマではない。
職場が舞台であることは、
ぶっちゃけT6的な日常感を出すための小道具でしかなく、
学校が舞台であるのと概ね同じ意味と言ってもよい。
このことは、
私のようなソーシャル崩壊のw6族にとっては結構デリケートな設定であり、
ある作品では
「このマンガ、登場人物が会社で遊んで楽しそう(笑)」
って感じで微笑ましく見れるのに対し、
別の作品では
「このマンガのやつら、完全に仕事をナメてるやろ(イラッ)」
ってなるものもあったりして、
なんかギリギリの均衡で成り立っている感じがあった。
長年の愛読で気づいたことは、なまじ中途半端に業務用語を出すと、
かえって「イラッ」のほうになりやすいということだ。
(※舞台が接客業種の店舗である場合を除く)
これはおそらく、往々にしてあいまいに誤用されていたりする
業務用語がきっかけになって、読者の脳みそが仕事モードになり、
登場人物に対して
「おいおい、そんな浅はかな方法じゃダメだろ。
こいつ、イキって仕事用語しゃべってれば金もらえると思ってそう。
もしこんな奴がチームにいたら、それはテロやな。」
みたいな嫌悪感を抱いてしまったりするわけである。
従って、4コマにおける仕事の描写は、よくある
「山積みの書類をせっせと運ぶ」とか、
「パソコンのキーボードを大急ぎで打つ」とか、
「パンをかじりながら作業する」とかの決まりきった古典的表現で
なんとなく「一生懸命な感じ」だけを示すほうがまだマシで、
安易に業務の手法とか成果に触れて「仕事の巧拙」(上手か下手か)
を俎上に載せてしまうと、わりと高確率で悲惨な結果になるような気がする。
(もし私が4コマ作者だったら、徹底的に「一生懸命」だけに限定すると思う。
現実には巧拙の重みは大きいのだが、そこに触れたらドツボにはまる)
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なお、以下は5w6的感想なので一般的ではないが、
私は登場人物が仕事をナメているのは許せないのにも関わらず、
登場人物が仕事で楽しく遊んでいるのはほほえましく見れるのは、
私自身が「仕事は遊び、勉強も遊び」と思っているからであろう。
こんなこと言うと学歴嫌いの人にしばかれそうで言いづらいが、
仕事と勉強は、ちょっと似ているところもあると思う。
どちらも強制されると苦痛でしかないあたりとか、
かといって、多少の苦痛は突破しないと次へ進めないあたりとか、
作戦をまちがうと努力が一向に報われないあたりとか。
もし最初から「仕事は苦痛に決まってる」と思ってる人にとっては、
まんがタイムの登場人物はきっと「全員ナメすぎ」ってことになり、
全面的にアウトかもしれない。
しかしその一方で、もし
「本来は仕事はそんなに嫌じゃないけど、一時的に仕事が苦痛でしかたない人」
がいたとしたら、そういう人はまんがタイムを読めるかもしれない。
実は私も、そんな感じで4コマに出会った。
入社2年目に管理業務的な班に入れられ、
毎朝8時出社で現場を回り、各部署のアホすぎる係長クラスが我田引水に
セクショナリズムを振り回しまくるのをひたすらヨチヨチとあやして
まわるという、ウンコみたいな役目につけられた。
このときは、まじで仕事が苦痛すぎて、全員コロしたいと言うか、
毎日が絶望でしかないような時期であった。
私は保育園の先生をやるために数学や物理を学んできたのではないのだ。
私は毎晩最後まで残って超くだらない日報的なゴミ書類を書かねばならず、
残業続きで帰宅後にゲームをやる気力すらなく、
余暇はすべて睡眠と転職情報探し(っていうか博士課程の編入先探し)に
充てているような状態だったのだが、
そのころはもう誰かと昼飯を食いに行くのも億劫だったため、
弁当の友として4コマ漫画を読むようになったのだ。
4コマを読むことで、私は無意識に、
「なんか楽しそうに仕事してる人」
に近寄っていくようになったような気がする。
考えて行動したわけではないのだが、結果的にそれが効果的で、
よい結果につながっていったように思う。
(うんこ役目も徐々に苦痛が軽減されていき、そのうち脱出できた)
会社では配属は避けられない命令であり、必ずしも楽しい職場に
当たるわけではない。そういうときは、
・えらそうにしてる人とはできるだけ積極的に衝突して敬遠され、
・楽しそうに仕事している人とチームになれるように工夫する。
というような行動を積み重ねることで、
悲惨な状況から抜け出せる確率が上がるのではないかと思う。
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ところで、今回4コマまんがの話を書いたのは、
職場が舞台の日常4コマ風の恋愛アニメを見たら、
Primeのレビューが阿鼻叫喚の地獄絵図になっていたからである。
私は最初のほうで
「このアニメの作者、なんか若くて職務経験が少なそうな気がする。」
と気づき、そのへんは意識的にスルーしていたのでセーフだったが、
一歩間違うと「社会常識なさすぎ」とか言われて叩かれそうな作品
であるとは確かに思った。
だとしても、つまらなかったら見るのをやめればいいだけのことなのに、
なぜ1話だけ見て挫折した作品に粘着して
わざわざ地獄の使徒ようにサゲレビューをつけてまわるのか、
Primeの客は本当に頭がおかしい。
日本人客が世界で嫌われるのも、当たり前の話である。
かつて、ホリエモンがこういう人達について言及し、
「知能指数がアウトな人の行動パターンは、だいたい決まっている」
みたいな感じのアウトな発言を口走っていたが、
残念ながら、本当にそうなのかもしれん・・・。
日本はアホが猛威を振るい過ぎだと思う。